学校紹介理事長あいさつ
コロナ禍そしてコロナ後の社会において
医療や福祉の仕事のスペシャリストとして輝く人生を!
「世界がぜんたい 幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である 」
宮澤賢治が『農民芸術概論綱要』「 序論 」 に書き遺した一節です。今日の社会においても最も大切にしなければならない「問題提起」ではないでしょうか。現在、その実現を目指して多様な視点から施策が講じられています。何よりも戦争や暴動などない「平和」を実現することが最も重要なことですが、次の視点からの拡充も必要となっています。
一つの視点は、現代は「人権と福祉の時代」と言われていることです。人々の幸福な生活にとって、人権意識の向上を通して一人一人が大切にされるとともに、福祉、保健・医療の拡充が課題となっているからです。
もう一つの視点は、「信頼と協調の時代」と言われていることです。新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、人々の安心・安全な生活、医療や福祉に関わる活動の充実とともに、互いに絆を深め合う人間関係が課題となっているからです。
このような時代を背景として、本校では、歯科衛生士学科、言語聴覚士学科、音楽療法士学科を設置し、人々の健康維持や生活の質の向上を図る仕事を担うために、「豊かな人間性」を育み 、「優れた専門性」を身に付ける教育を展開し、社会に人材を輩出して、人々の幸福の実現に貢献しようとしています。
歯科衛生士は、笑顔あふれる快適な生活を送るようにするため、誰もが望む口や歯の健康を保ち続けるためのお手伝いをするスペシャリストです。歯科医師とともに高度な歯科医療を提供し、歯科疾患(むし歯や歯周病など)の予防処置、保健衛生面の指導などを行う専門の技術者です。口の健康が全身の健康にも影響を与えるので、口腔衛生の向上を図るため、知識と経験を人々に浸透させる責任を担っています。一般の歯科医院(診療所)だけでなく、総合病院・高齢者施設・行政などでも求人が増えており、これからその活躍の場は確実に広がっていくことでしょう。
言語聴覚士は、ことばや聞こえの問題、食物を口から食べる機能に問題を持つ人などに対する機能の回復や、子どもたちの発達を支援する医療・福祉・教育の場面で、アドバイスや訓練を行うスペシャリストです。病院内だけでなく、退院後の患者さんの自宅を訪問し、リハビリテーションを行うなど、よりよい生活が送れるようサポートします。ことば・聴覚・高次脳機能・小児・高齢者などの様々な領域で活躍の場が広がっています。総合病院・脳神経外科病院・障がい児施設・老人施設、学校など、働く場所が多くあり、これから活躍する機会がますます広がっていきます。
音楽療法士は、音楽の持つ力と人との関わりを通して、心身のサポートを行い、対象となる人に合わせて音楽を意図的・計画的に使用し、心や身体に働き掛けていくスペシャリストです。社会が物質的に豊かになり、人間関係でストレスを抱える人が増加した現代社会において、保健・医療・福祉・教育など、広い領域に渡って音楽療法が必要とされています。音楽療法によって人の気持ちを落ち着かせたり、気分を転換させたりするだけではなく、身体機能・認知機能の維持改善や発達を促したり、問題となる行動の修正をするなど、生活の質を高めるサポートを行います。病院・高齢者施設・障がい児(者)施設など、活躍の場が広がり、今後一層社会から必要とされる職業になっていくことでしょう。
歯科衛生士・言語聴覚士・音楽療法士の資格を取得して、社会貢献しようとする高い志を持つ皆さんの入学を心よりお待ちしております。充実した教育環境のもとで、教職員が一丸となって教育に邁進してまいります。